ユニオン以降、単発ドラマは殆ど出なくなりましたが、そんな鉄ちゃんが
久々に出演したのが、土曜ワイド「最後の賭け老刑事と金庫破り」でした。
O・ヘンリー「よみがえった改心」が原作です。
深夜の銀行に忍び込み、配線を操作して防犯カメラを止め、金庫前で
ヘッドフォンをつけ、超音波探傷検査器のスイッチを入れ、定規で線を
引き、ドリルチャートポイントに穴を開けてタイムロックを止め、金庫を
開けて300万失敬すると再び金庫を閉めて立去る。
このファーストシーンだけで、いつもの役とちょっと違う感じがしました。
この頃は、犯人役自体珍しかったですからね。
自分の設計を社長に盗まれた金庫の設計技師が、心臓病の恋人のために
金を盗み、それから7年後、アリバイ証言をしてくれた恩人の療養所入居
費用を盗む。しかし恩人が死んでしまい、全額を施設に寄付する。
そして、タイムロック式の金庫に心臓の弱い子供が閉じ込められたと聞き
いてもたってもいられず駆けつけ、自ら金庫破りを実証してしまう。
「俺の負けですよ」と刑事に腕を差し出す鉄ちゃんに、定年をむかえた刑事は
「何のまねだ」と言い残して立去り、追ってきた妻は安心したように抱きつく。
そんな終わり方でしたが、家族とのシーンはコメディーのお茶目な感じで
刑事との対峙や金庫を破る時はシリアス調と、使い分けて演じてましたね。
ドラマとしては、回想シーンが多過ぎるのが難点ですが、優秀な金庫の
設計技師だった金庫破りという設定が、実に新鮮でした。
奥さん役は俳優座同期生の佐藤オリエさんでしたが、「若者たち」以来の
共演で、戸坂とオリエを思い出して懐かしかったです。
同じ緑の上下を着てたり、友里千賀子と水沢あきが出てたり、同じ大沼で
ロケしたり、「本格派」と妙なリンクを感じさせるドラマでもありました。
「刑事」10話の鉄ちゃんも良かったですよね。ナイーブさワイルドさと、あの頃の持ち味がよく出ている作品でした。
養成所の合格発表の日、オリエさんと出逢っていなかったら役者になってなかったかもしれませんね。そう考えると、運命を感じますね。
オリエさんも、よく理解者だったのでしょう。
岡Pさんの投稿を読みながら、涙ぐんでしましました。声が届くなら、こんなにたくさんの人達に愛されていることを、伝えてあげたいです。
(…スミマセン忘れかけていました)
あァ、もう一度観てみたい。
それにしても、佐藤オリエさんに感謝です。
「気まぐれ天使」と同じ時期だったので、余計に新鮮な感じの役でした。土曜ワイドが1時間半だった頃の作品のせいか、なかなか再放送されませんけどね。
「気に嫁」の文彦は鉄ちゃんらしい役だから、楽しめると思います(笑)
岡P>
同じ時間に出くわすなんて、まさに奇跡ですよね。
その時は単なる偶然でも、今振り返ると、必然の出来事だったのだと思います。
運命の矢印は、やっぱり出逢いで決るのですね。