2014年09月01日

鉄道公安官第18話-6

☆山陰本線急行、松江を過ぎて行く

☆出雲市駅・ホーム
 急行、終着駅に来る
 妙子たち、列車から降りる。榊と星野も続いて出て来る
 そのとき、ホームの一角が騒然とする
  「人が死んでる!」
  「誰か医者を呼んで来い!」
 榊と星野、声のする方へ駆け出す

☆急行・洗面所
 うつぶせになって倒れている男がいる
 榊、星野、のぞきこんで、アッ!と声をあげる
  星野「主任、京都駅でバッグを奪って逃げようとした男じゃ
     ありませんか!」
  榊 「うん。どうして、この列車に・・」
 複雑な表情である
 救急車とパトカーのサイレンが近づいて来る
 男のうつぶせになっているところには、溶けかかった氷の塊がある
  榊 「今度も証拠を残さないような凶器を使っている」
  星野「氷の塊で殴打したんですね。古典的な手だが巧いもんだ」
  榊 「星野、へんなとこに感心していないで東京へ連絡してくれ。
     当分、帰れそうもないぞ」
  星野「はい」
 走り出す
  榊 「おい待て!」
  星野「何ですか?」
  榊 「小出の身許調査と、ついでに八木コンピューターに
     この男がどうして急行に乗り込めたか聞いてみてくれ」
  星野「わかりました」
 榊、ぐったりとして動かなくなった男ー黒岩をのぞきこみ、脈を
 取ってみる
  榊 「あ、動いてる!・・助かればいいが」

☆東京公安室
 八木のきれいな指が時刻表をなぞっていく
 本間、古賀も一緒にのぞきこんでいる。しばらくして
  八木「(クスッと笑い)主任たち、不注意ねえ」
  古賀「どうして?(まだわからない」
 八木、さっさと受話器を取り
  八木「星野さん、時刻表を普通にながめないで、左右をていねいに
     見ることね」

☆出雲市駅・事務室
  星野「まあ、お説教はあとにして、教えてくれよ」

☆東京公安室
  八木「京都駅14時38分の急行に乗れなかった場合、その殺された
     男は2時間後に出る16時33分発の特急『あさしお7号』
     に乗ると米子着は21時59分になり、たった4分の差で
     『やくも11号』に間に合わず、その日のうちに出雲へ入る
     人形劇団に追いつけない」

☆出雲市駅・事務室
  星野「だから、ぼくだけ京都に残って新幹線を見張ってたわけだ」

☆東京公安室
  八木「それはいいんだけど、もう一つどうしても『やくも11号』
     に乗る方法を考えないと片手落ちね」
 八木の手がまた時刻表をなぞって
  八木「『やくも11号』の岡山発は19時10分、これに19時
     05分広島行普通列車(三五三M)が接続。姫路発17時
     40分への接続は出来ないものかと考えると・・・さっきは
     左に注意してたけど、終着から追って行く場合は右に注目!」

☆出雲市駅・事務室
  星野「わかった。わかりましたよ。早く教えてください!」

☆東京公安室
 時刻表のアップ
  八木「(声)右側を見ると17時30分発の新快速がピタリ接続。
     京都発は15時45分」
  本間「急行より一時間以上あとでも間に合うわけだ」
  八木「(電話で)地図の上の距離にすると、たしかに山陰直通より
     岡山回りは55キロも長いけど、さすが山陽本線、普通列車
     といっても電車は速いわね」
  星野「(声)そうか!」
  八木「松江ではもう急行の中に、その被害者と加害者は乗っていて
     何かのことでモメていたんだと思う」

☆出雲市駅・事務室
  星野「言われてみれば、その通り。コンピューターさん、申しわけ
     ない!(電話切る)」
 背後に、いつの間にか榊が来て、話を聞いていた
  榊 「(うなづいて)いまの男、どうやら一命をとりとめたそうだ
     と医者が言っていた」
  星野「じゃ、意識を回復次第、何か聞きだせますね」
 うなづく榊
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2014年08月31日

鉄道公安官第18話-5

☆走る山陰本線
 山が深くなってくる

☆急行・車内
 妙子たち、さすがに気味悪くシーンとしている
 赤いバッグを開け、人形を取り出して、点検してみるが、別におかしな
 ところはない
  咲子「へんねえ。こんなバッグ盗んでどうするつもりなのかしら?
     妙子さん、心当たりある?」
  妙子「別にないわ(考え込む)」
  正太「人形マニアの変質者かなあ」
  幸江「わあ!止めて!気持ちわるい!」
 尾行する榊、窓外に迫る山を見て、そわそわ落ち着かない。隣にある
 登山客のリュックサックまで気にかかる様子
  榊 「あのあたりの山にはマムシが多いだと。星野のヤツ、ほんとに
     イヤナなことを言うぜ」
 と独りブツブツ

☆京都駅・山陽新幹線ホーム
 星野、見張っている。黒岩らしい男の姿は見えない
  星野「(時計を見て)現れないな。この列車に乗らないと人形劇団に
     追いつけないはずだが・・やっぱり感づかれたか」
 星野、列車に乗り込む

☆夕闇の中を走る山陰本線

☆走る山陽新幹線「ひかい号」

☆車内
 星野、慎重にパトロールしている

☆夜の米子駅
 急行、発車する

☆車内
 妙子たち、疲れたか、あどけなく眠りこけている
 榊、微笑して見守っているところえ、星野が合流してくる
  榊 「どうだった?」
  星野「新幹は乗らなかった線にようです」
  榊 「そうか。このまま出雲市に到着しそうだな」
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2014年08月30日

鉄道公安官第18話-4

☆名古屋公安室
 星野が小出のバッグその他の所持品検査をしている
 悠然としている小出、宝石類らしきものは何も出てこない
  小出「もういいだろう?これ以上は迷惑だよ」
  星野「すみません。手配写真の男があまり似通ってたもので。
     それに、あなたが逃げ出したし」
  小出「そんなボケたフィルムで善良な市民を捕まえるなんて
     人権無視ってもんだ」
 と部屋を出て行く
 見送った星野、名古屋の公安官に向かって
  星野「電話をお借りします」
  公安官「どうぞ」
  星野「(直通ダイヤルを回して)主任ですね・・さっきの男
     突然逃げ出したんで、捕まえて、所持品検査したんですが
     盗品らしきものは全然出てきませんでした。ビデオの写真は
     決め手になるほど鮮明じゃないし、困っちゃいましたよ」

☆ひかり105号・乗務員室
  榊 「よし、わかった。しかし、あいつ、何かきな臭いと思う。
     ひょっとしたら、人形劇団の誰かを運び屋に使ってるかも
     しれん。ああいうグループの団結は固いからな」

☆名古屋公安室
  星野「そうすると、いずれまた、小出は劇団員の前に現れるかもしれ
     ませんね。じゃ、次の列車で追いかけて、主任と京都で合流し
     ます」

☆ひかり105号・乗務員室
  榊 「そうしてくれ。オレは劇団員をマークして、その巡業先を
     細かく聞いておく」

☆走るひかり105号
 京都郊外の街並みの上を行く

☆ひかり105号・8号車
 妙子たち、荷物を担いで降りる準備にかかる。見ていた黒岩も立ち上がる

☆京都駅
 ひかり105号、轟音と共に滑り込んで来る

☆京都の風景

☆人形劇・舞台
 妙子たち、一所懸命に操っている
  榊 「(ナレーション)この人形劇団の荷物を調べさせてもらったが
     何も見当たらなかった。三木妙子の話では、京都公演のあと
     いよいよ明日の晩までには出雲市へ入るそうだ。オレたちは
     あのサングラスの男がそれまでに、また姿を現すというカンを
     捨てきれなかった」

☆京都駅・山陰本線下りホーム
 14時38分発の急行が間もなく発車しようとしている
 妙子たち、荷物を横に置いて並んでいる
 その一行を離れて尾行する榊と星野
  星野「主任、京都ではとうとう現れませんでしたね」
  榊 「ここまで来たんだ。出雲に着くまでねばってみよう」
  星野「はい」
 そのとき、突然、「何するのよ!」という女の叫び声ー妙子である
 榊、星野、ハッとして見ると、人形劇団の赤いバッグに手をかけて持ち
 出そうとしている男がいる、黒岩だ
 正太、茂の男子部員が飛び掛ると、黒岩はバッグを投げ捨て逃げ出す
 榊、星野も追いかけるが黒岩の逃げる足は早い

☆下の通路
 黒岩、巧みに人ごみの中へ姿をくらます
 榊、星野をおさえて
  榊 「今のは新顔だな?」
  星野「ええ。敵の組織は意外に大きいのかも・・」
  榊 「うん。あの赤いバッグに何かあるらしい。オレはこのまま人形
     劇団を尾行するから、お前は山陽新幹線に、今の男が乗り込んで
     出雲へ行くかどうか見張ってくれ。この列車が今日中に出雲へ
     着ける山陰本線の最終だ。とするとヤツはたぶん、新幹線を利用
     して、再度、狙ってくるだろう」
 榊、時刻表を見ながら言う
  星野「わかりました。今日中に出雲へ着ける時間まで新幹線を見張って
     そいつに乗ります」
  榊 「マムシで殺人をするほど悪賢いヤツが相手だ。気をつけろよ」
  星野「主任も、いよいよ山の奥へ入りますから気をつけてください」
  榊 「イヤなこと言うな。じゃ、あとで合流しよう」
 急いでホームの方へ引き返す
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2014年08月29日

どっちがどっち?

思いついて、「夜明けの刑事」をまた第1話から見直してますが
やはり相馬課長はカッコいいですねえ。ひとつひとつの仕草が
様になってるというか、ポケットに手をつっこんで立ってるだけ
で画になってる。

何度も書いてますが、水曜日の相馬課長のニヒルなカッコ良さと
四日後の「水もれ甲介」のオクターブ高い声で「テルー」と叫ぶ
コメディ演技は、とても同じ人とは思えないですよねえ。芝居の
幅広さというか、奥深さというか、才能をいかんなく発揮してる
感じがします。ただ、相馬課長には甲介の雰囲気は全くありませ
んが、シリアスシーンの甲介に、相馬課長の"かおり"が漂うこと
はありました。

チャミーにボーイフレンドが出来たんじゃないかと、友人の銀子
を問い詰めるシーンで、「まるで刑事みたい」という台詞がある
のは、あきらかに「夜明けの刑事」をパロってますよね(笑)

「雑居」第1話の、「君、お米屋さんの2階にいなかった?」や
「気まぐれ天使」で、忍が「赤い激流」の指揮者役を思わせるよ
うにレコードの曲に合わせて指揮者の真似をするのも、同系列の
『わかる人はニヤリとする』ギャグですよね。ユニオン作品は
こういう自己パロディが結構ある。文彦の「二役やったのは俺
じゃないか」とか、「本格派」に坪田直子がゲスト出演した時の
「オレの友だちの加茂忍って知らない?」とか。

そういうのを捜すのも、一興かもしれませんね(笑)
posted by tetsumania at 02:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 詳論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

鉄道公安官第18話-3

☆走る新幹線105号
 浜名湖を渡って行く

☆新幹線・食堂車
 「ごちそうさま」
 「先輩と交代しよう」
 とまたワイワイと席を立つ人形劇の団員たち
 妙子が一人残って、レジで勘定をすませている
 と、隅の席で珈琲を飲んでいた榊が立って、妙子に公安官手帳を示す
  妙子「・・・!」
  榊 「ちょっと内密におたずねしたいんですが」
  妙子「・・・?」
 二人、再び窓際のカウンターに腰をすえる
  榊 「あなたの前の席に座って、親しそうに話していたサングラスの
     男性は、やはり同じ学校の方ですか?・・あ、失礼、職業柄
     うしろで会話をすっかり聞いてしまいまして」
  妙子「それはご苦労さま(皮肉っぽい)」
  榊 「で、どうなんですか?」
  妙子「残念ながら、あの人、学生じゃありませんわ。もっとも三年前
     学校を中退するまでは同じ人形劇団で活躍していた先輩なので
     わたしたち歓迎してますけど」
  榊 「偶然、この列車に乗り合わせたんですか?」
  妙子「いいえ。同じ方面にセールスの仕事で行くから、暇なときに
     芝居を見たいって連絡があって・・でも、それが何か?」
  榊 「他の部員には黙っていた方がいいと思いますが、彼、仙台の
     宝石店強盗の一人に人相骨格がそっくりなんだ。ほら」
 手配写真を示す
  妙子「・・・!」
  榊 「君には不愉快な話だろうが、わたしも仕事でイヤな捜査も
     しなければならない。協力してほしい」
  妙子「あんなに人形劇を子供たちに見せるのが好きだった小出さんが
     そんな犯罪に手を染めるはずがない!その写真、他人の空似よ」
  榊 「彼、小出っていうのか。ところで、きみたち、出雲市へも
     行くのかい?」
  妙子「ええ、どうしてわかったの?」
  榊 「やっぱり・・!」
  妙子「そんなに小出さんを疑ってるんなら、わたしが内緒で呼び出し
     てあげるから、宝石を持っているかどうか捜査したら?」
  榊 「うん・・(迷う)」
  妙子「これから楽しい公演旅行をしようとしてるのに、もやもやと
     した気分でいるの、いやだわ。わたし、断然、小出さんに
     疑いを晴らすよう言ったげる。わたし、先輩を信じてるもの」
 さっさと席を立つ
  妙子「(ふりかえって)おじさん、早くいらっしゃいよ!」
  榊 「おじさん!可愛い顔してなんという言いぐさ!」
 ブツブツ言いながら、ついて行く

☆ひかり105号
 名古屋駅へ入ってくる

☆同・8号車
 乗降客で混雑している
 妙子、入ってくるが、小出の姿が見当たらない
  妙子「小出さんは?」
  幸江「急に名古屋のお得意先をまわる用事を思い出したって、ここで
     降りました。公演先をたずねるから、よろしくって・・」
  妙子「・・・!」
 榊もあわてて、ホームの方を見る
 バッグを抱えた小出が急ぎ足で去って行く。続いて尾行する星野
 そのとき、ひかり105号、動き出す
 榊、窓に顔をくっつけて星野に
  「その男をつかまえて、所持品検査しろ!」
 と精一杯のジェスチャアで伝える
 うなづいて小出を追う星野
 8号車の片隅でその一連の動きを冷ややかに見ていた黒岩の目
 やがて網棚の上の赤いバッグに釘付けとなる
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2014年08月27日

鉄道公安官第18話-2

☆疾走する新幹線

☆新幹線・車内
 榊が前の車両から巡回してくる
 星野、後部からパトロール

☆同・8号車
 妙子、幸江、正太、茂、咲子の大学人形劇グループの面々が一画に
 陣取っている。網棚の上はその荷物ではちきれそう
   アリス「それじゃあ、その幸せな花婿さんは、どんな方なの?」
   メリイ「花婿さん?」
   アリス「旦那さまよ」
   メリイ「そんなの、いやしないよ」
   アリス「え?だって・・」
  アリス人形、迫るアクション
 その時、一同の背後で男の声
  「おじょうさん、私はちょっといそぎますのでこれで」
   アリス「お待ち、その声、この頭、この身体つき、この毛色
       どうもどこかで出会ったことがあると思ったら
       怪盗ラビット・・」
 と言ってから、妙子がふりかえると、小出がサングラスの陰で
 笑っている
  妙子「(笑って)先輩、まだ台詞覚えてるのね」
  小出「虹の彼方のアリス、おれたち得意のレパートリーだった」
  妙子「小出さん、ほんとにお久しぶり。先輩が学校を中退してから
     人形劇団を再建するの、大変だったのよ」
  小出「親父の工場が倒産したというのに、人形劇でもなかった
     からな」
  正太「いま、何をなさってるんですか?」
  小出「宝石貴金属のセールスマン。みんな学校を出て稼いだら
     おれのところで買ってくれよ。親父の借金をしょいこんで
     アップアップしてるんだ」
 妙子、その横顔を見つめる

☆隣接するデッキ
 榊と星野、合流する
  星野「あの人形劇グループと話してるサングラスの男、写真の犯人
     に似てますね」
  榊 「うん。本部へ連絡して、いつでも動けるように体制をととのえ
     てくれ」
  星野「はい」
 立ち去る

☆疾走する新幹線105号
 窓外の富士山が美しい

☆新幹線・8号車
  妙子「小出さんと、最後に地方公演に参加したときも、冨士がきれい
     だった」
  小出「もう三年にもなるか」
  妙子「ええ。今度の公演、何かいいことがありそう」
  小出「若い人はいい」
  妙子「なに言ってんの。先輩だってまだ二十代でしょ?」
  小出「うん。だけど、学校やめてから、ろくなことなかったもんな」
 ふと、暗い目つきをする小出
  妙子「元気出してよ!・・先輩、おなかすかない?」
  茂 「腹へったよ」
  幸江「朝、早かったしね」
  小出「じゃ、おれ、留守番してたげるから、食堂へ行ってきたら?」
  妙子「お願いします」
 一同、にぎやかに出かけて行く
 榊、さりげなく妙子たちをつける
    ×   ×
 小出、みんなが去るのを見届けると、網棚にあった赤い大きなバッグから
 数種類の人形を取り出す
 小出、一瞬、なつかしそうに人形のあちこちを、さわっていたが
 その目が急に険しく光る

☆疾走する新幹線105号

☆同・8号車
 本部への連絡をすませた星野が戻ってくる
 その視線に気づいたのか、小出はシートに身を沈めて眠ったフリをする
posted by tetsumania at 08:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 詳論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする